芝桜の妖精/丘白月
滝のように庭を流れ
壁を落ちて
風にゆれて花が
泡のように溢れる
妖精が幾つも色を並べる
隙間なくパズルのように
そうして誰も入れない
世界を描いていく
どんなに小さくても
誰も踏むことはできない
見下ろしたとき
妖精と目が合うから
白い羽根が見える
モンシロチョウの
細い触覚が踊る
妖精が追いかける
無限の花壇の芝桜に
ひこうき雲のように
真っ白な光がふたつ
恋人のように流れていく
花の上を滑って
滝に落ちる妖精と蝶は
言葉をかわして
いつか同じ国の住人になる
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