今日、明日/墨晶
un pastiche, encore
きみが書く手紙の文字は読もうとすると揮発してしまう
ありきたりの半島とありふれた海峡
街を寸断する運河や暗渠 について
おそらく伝えたいのだろうが しかし
我々は会ったことのないふたりなのだ
我々の必然故に共有されたものたち
不可視の地形図を
聞く以前に知る幻聴を
オリーヴの枝を揺らす金色の風を
誰も(無論我々さえも)いない庭園を
手放すことによって(やっと)得る薄明(cr?puscule)
イーゼルのうえの姿見(かがみ)
古い木馬
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)