春の小川/丘白月
悲しい色をした
涙を雨でうすめたような
白い白いため息が
空に昇っていく
銀河に棲む妖精が
ひとつひとつ集めて
星に変えて並べていく
果てしない宇宙に
天の川が流れていく
キラキラ
カラカラと
星が流れる音が響く
ため息を集めて
どこまでも流れる星の川
見上げる私達の心をなぐさめる
始まったばかりの
春の夜空に流れる小川
まだ冷たい空の下で
私は愛する人と
ヒトヒラ流れる花びらになる
ゆっくりと私は
何度も生まれ変わりを繰り返し
二億四千万年をかけて
天の川を一周する
銀河の妖精は
優しくウインクして言う
また逢えたねと
戻る 編 削 Point(0)