ななめのかげ/うみ
 
薄氷をふみぬきついらくしただれか散ったあとだけ人のあわれむ

わたくしのいのちの根っこ烙印がわたしをひとでなしというとき

なおらないやまいがずっとなおらないわたしがわたしであるということ

世界とはじつはやさしいものなのかまだ疑いを晴らせずにいる

ピンヒール買って仕事をやめましたやっと大人になれた気がして

価値のないことの自由をわたしにもくださいそこのタンポポみたく

透明となんども重ね書きをする青いインクで色ついた指

夢の中だれかが愛してくれたんだ夕暮れの青い公園のすみ
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