ありふれた公園/秋也
 
鰻が滑る滑り台
背から腹から
強化プラスチックの象
透明に子供の足形
無数
いくら踏まれようとも
登られようとも
笑っている
ブランコ
ブランコ
フラミンゴ
特殊な鳥は前世罪人だったから
飛べるけど逃げられはしない
鎖蛇は双頭奇形
ホルマリン
落書きは心臓に
放射能マークを
「私は公約を守ります」
どぶ板の上からパンダパンダ
遥か高みの透明の象から子供たち
演説を訝しがる
「つまらないね、もう帰ろう」
一人が夕焼けを見てポツリ
ポツリと雨のように帰り始める
ぶらぶらポツポツ
ブランコの右側
鉛筆一本落ちていた
寝れないだけだから
寝れない

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