ボール/まーつん
であれ、悲しみであれ、空色の壁紙を背にして、束の間静止するとき、人生という舞台で、私たちという存在は肉体的にも、感情的にも、何らかのピークを迎える。そういう瞬間が、誰の人生にもあるのかもしれない。
天使が投げたボールを悪魔がキャッチしたら?
その人生は喜びから悲しみへと、充実から虚しさへと、白から黒へと移り変わる色彩のグラデーションを帯びながら、夕暮れ時、ゆっくりと山の峰の向こうへと弧を描いて飛んでいくのだろうか。炎のように高揚する朱色、孤独に沈みゆく青、様々な色に染まりながら遠ざかっていくボール。
そんな風に、人生の、いや、一つの命の行く末の比喩として考えると、ボールというのは面白い。連想はどこまでも広がる。今僕の脳裏に思い浮かんだのは野球のボールだ。うっかり者の外野手が摂り損ねたゴロのボール。
どこに転がっていくのだろう?
まるで僕の人生みたいだ。
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