感謝しない心/こたきひろし
でも姿勢を元に戻して
先生を睨みつけました
もう一発が反対側に見舞われるからです
クラスには悪いのが何人かいました
正義感剥き出しの先生は
そいつらを許しませんでした
先生がいる限り
教室内は平和でした
平和とは力によって制圧される結果でした
そんな先生は
弱い者にはやさしい人でした
私は弱者でした
弱者であるがゆえに
先生の鉄拳制裁から逃れる事が出来ました
だけど
私はいつも先生から見下されているような
思いを拭いされませんでした
弱い者が強い者の
庇護を受ける構図を呪っていました
私は大崎君に憧れてました
彼は悪ぶっているだけで
本当はやさしいクラスメートでした
私は大崎君の家庭の事情も知ってました
なのに情け容赦なく
大崎君はよく先生から
往復ビンタされてました
その光景を目前にさせられる
弱者の心に
果たして先生の眼は向けられていたとは思えません
何が正しくて
何が間違っているかなんて
受け止める側の
主観でしかないのに
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