差別と無差別/こたきひろし
忘れる事が出来たのかもわかりません
車内に乗り込むことが出来ました
やがて列車は走りだし
やがて列車は止まりました
その時
ホームの上が溢れていたか
空いていたか
思い出す必要はありませんでした
ホームへと降りて待っていました
すると女に見つけ出され
駆け寄ってきた女の
胸に抱き上げられました
乳臭い匂いを嗅ぎながら
産声をあげました
そしていつの間にか
ベビーベッドの上ですやすやと眠ってしまいました
深夜に目を覚ましてしまいました
直ぐに救急車のサイレンみたいに泣き出してしまい
女が自分の寝床から起き出して抱き上げられました
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