仮歌(omoide)/
たもつ
昇り専用のキャバレーでした
あまり感情を表に出さない女性に導かれ
私はどこまでも昇り続けました
彼女のうなじには
一匹のハエがとまっていました
その羽の見事な曲線から
昔よく下った坂道までは
それほど遠くはなかったはずですが
気がつくと
いつも私は引きずられていました
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