氾濫と反乱/こたきひろし
 
えました

驚いた事に激流は土手の高さのギリギリを流れていました
私は足がすくみました
一歩先で足を踏み外したら落ちて流されてしまうに違いありませんでした

その瞬間に悲鳴があがりました
見ると
子供が一人落ちて必死に助かろうともがきながら激流に流されてしまい、その姿は直ぐに見えなくなってしまいました

私は恐怖に打ちのめされてしまいました
私は直ぐにもこの場所から立ち去るべきだと本能的に感じました

なぜ、どういう状況でそうなったかなどどうでもよいと思いました
現実が全てでした
目の当たりにした恐ろしい光景を視界から振り払い
逃げ出すしか思い付きませんでした

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