星へ行く船/丘白月
 
なんど買ったのだろう
手のひらに重なって
溢れて落ちるほどに

どれも涙が滲みて
愛の文字が滲んでしまった

あなたに逢おうとして
あなたに逢うために

毎日あの駅へ
切符を買いに行った

もう帰る家など
無くてもいい

金色に光る
あの船に乗るために
また切符を買う

乗せて下さいお願いだから
もう今夜が最後なのです

もうお金が尽きてしまいました
これが最後の切符です

月が降りて来て言った
とっても綺麗な世界へ行くの
だからお金が尽きるのを待っていたのよ



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