あの日の納屋から/秋也
 
藁と汗
カビっぽさ
それでも清潔
綺麗さにかまけて首は吊らずにおいた

あの日の納屋は
何等かのウィルスに犯されていない
ハッピーだった

AIは莫大なデータをたらふく平らげ
将棋が強くなっても
文脈から熱いも寒いも解らずじまい
そいつにぴったりな温度の飲み物も選べない

チョコも食えない奴に神の一手は指せないのさ

マッシブアタックのライブ
背後のモニター
搭乗便が次々キャンセルされる映像が流された
アレは多分テロだけど

『United Snakes』
抜群の格好良さの中に虚しさが残る
国旗は血で染まっているから

時代の夕焼けみたいだ

朝焼けかもしれないけど

証券取引所の停止と混乱
ここはウィルスに犯されていなくても
きっと穢れている
心地好く心地好く
欲望が悲喜こもごもとバウンドしシェイクする

まだ身投げするにはもったいない
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