冬の幻想/
丘白月
空を切取って
心の中に貼ってみる
鳥になりたいと思ってた
大好きな人に
いつでも逢えるように
風をたくさんポケットに詰めた
真っ赤な野バラが凍る
月あかりの中で
蝋燭のように燃えている
雫が蝋のように落ちては消え
心に沁みわたり
羽根が蝋で造られる
星空を切取って
月にかざして見る
大丈夫飛べるからと声がする
夜明けに羽根を広げてみる
ポケットの風を開放する
妖精が見上げている
飛んでる
朝日を浴びて
あの人の街が見える
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