Birthday Cake/ツチヤタカユキ
に!消えて!
あんたが、死ねば良かったのよ!」
そう言って、ルカは、ドアを閉めた。
ずっと、周波数が合わない人間同士の会話って感じがした。
シオンが帰った後、ルカは、
「もうあの頃のシオンは、死んだ」と、思い込もうとした。
そう思おうとすれば、する程、子どもの頃のシオンの姿ばかり、頭に浮かぶ。
思い出の中のシオンは、あの時のまま止まってる。
レンは、まだ赤ちゃんって感覚が残ってる。
レンが生きていた時の余韻も、ずっと残ってる。まだ青いまま収穫されたイチゴを、かじった時みたいに、甘酸っぱい記憶になって残り続けてる。
体内にある透明なガラスが割れて、粉々になった。
その破
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