Birthday Cake/ツチヤタカユキ
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シオンは門脇から、運び屋の仕事を紹介された。
運んでいるバッグの中身が、何なのかすら、教えてもらえない。知らない方がいい。
決まっていつも配達先は、普通のマンションだった。
寝静まった街を歩く時は、地球丸ごとを、誰かのポケットの中に入れたみたいな感じがする。
インターホンを押したら、出て来たのは、5分後には、忘れてしまいそうな、どこにでもいる、普通の見た目の男だった。
そいつにバッグを渡せば、万札が入った封筒が手に入る。
その報酬で、シオンは、またドラッグを買う。
そんな暮らしの中から、余った金をかき集めて、探偵を雇う。
「妹を探して欲しい」
数日後、連絡があり、と
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