Birthday Cake/ツチヤタカユキ
折れ曲がり、
「15、16、17、18・・・」と、
レンは、口に出してカウントを取る。
Siriのように無機質な、その声色は、上ずっている。
元々、口数が多い方じゃなかったレンは、緘黙症になってからは、全く喋らなくなった。
シオンは、レンが、喋っている所を、見る事自体、久しぶりだった。
レンは、もう14才になるのに、その体からは、いつもミルクの匂いがした。
緘黙症になる少し前から、よく部屋に引きこもるようになった。
レンが緘黙症になってから、シオンには、レンが何を考えているのかが、よく分からなくなった。
『人の心も、バールで無理矢理、こじ開けられたらいいのに』と、シオンは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)