Birthday Cake/ツチヤタカユキ
くシオンの体を包む。
「あれだけの量を、体内に入れて、まだ生きてる事なんて奇跡ですよ」と、そう医者はルカに告げた。
シオンは意識が戻ってから、リハビリの一環で、スケッチブックを渡された。
震える手で持った鉛筆で、シオンが最初に描いたのは、子どもの頃のレンの絵だった。
「順調に回復されていて、最近は病室で、節目がちな男の子の絵ばかり描いてますよ」
医者からの電話を切った後、「それは、レンの絵だ」とルカは、直感的に感じ、いつかシオンの絵を見てみたいと、思った。
シオンは、毎日、レンの絵を描き続けた。
そうする事で、レンを絵の中で、永遠に生きさせようとした。
描く事は、シオン
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