Birthday Cake/ツチヤタカユキ
、とある住所を渡された。
シオンは渡された住所に向かう。それは東京の郊外。いつもの運び屋の仕事の、配達先のマンションみたいな普通のマンション。インターホンを押す。
ドアを開いて出て来たのは、シオンが四年ぶりに見たルカの姿。
居なくなったママの若い頃に、そっくりだ。
その目は戸惑いを隠せないでいる。
黒ずくめのパーカーのフードの帽子を被っている。そこから除いてる顔のパーツで、ルカにはその人が、シオンだと分かる。
「・・何しに来たの?」
ルカは、何とか言葉を絞り出して言った。
「出所したんだ」
「どういうつもり?」
「何が?」
「えっ?本当に出所したの
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