Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 
落とし穴に見える。
電車がすぐ上を通ったように、体が振動してる。
そのまま、それは、痙攣となって、内臓を腐葉土の中に埋もれてるみたいな感覚で出迎える。
ずっとドラム式洗濯機の中に居て、回転してるみたいに世界は回ってた。
嘔吐を繰り返して、体内が空っぽになっても、まだ胃袋の中には、気怠さが残っている。
「お前、見てるとよお、死ぬ前のリコさんを思い出すよ」
門脇が、カップ麺をすすりながら、唐突に語り出す。
「死ぬ前の、リコさんを見てるみたいなんだ」
黙って聞いてるシオンに、門脇が、続ける。
「お前、死ぬのか?」
色んなドラッグをやり過ぎて、シオンは、左耳が完全に聞こえなくなった。
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