Birthday Cake/ツチヤタカユキ
の段のコーラまで手が届かないから、ルカが抱っこしてボタンを押させてあげた事だ。
幼い頃から、体が弱かったレンを、ルカは、よく看病してあげた。
ルカの記憶の中に留まっているレンは、いつまでも、小学生の頃のままで、今にも、ランドセルを背負ったレンが、この家に帰って来そうな気がする。
自分の知らない所で、レンがまだ生きている気がする。
ルカは、3年ぶりに各駅停車の電車で、昔住んでいた街に降りてみる事にした。
まだ、あの団地の808号室には、あの頃のままの自分達が、暮らしてるような気がする。
中学校の校舎の中にも、まだ制服を着たままの自分が、居るような気がした。
そんな妄想に
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