Birthday Cake/ツチヤタカユキ
家の家計を圧迫した。
寝る間も無く働く後藤を見て、ルカは、心苦しかった。
「私も働こうか?」
ルカのその提案を、後藤は、すぐに却下した。
「お前は、働かなくていい。ずっと家に居ろ」
「どうして?」
「そういうもんだろ?」
型にはまった考え方。
それをコピーアンドペーストしたような、日常は続いた。
ルカは切り詰めた食費の中で、腕によりをかけて料理を作った。
後藤は、いつもルカが作った料理の上から、塩や醤油をぶっかけて食べた。
ルカの耳の奥の方では、さざ波の音がした。
「薄味すぎたかな?」
「・・ああ」
妊娠が発覚して以来、ルカと後藤は、淡白な会話し
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)