Birthday Cake/ツチヤタカユキ
ゥーと同じだなと、ルカは、思った。
あまりにも辛い出来事は、自動消去される機能が付いてるのか、ルカはあの頃の事を思い出そうとしても、何一つ思い出せなかった。
警察から事情聴取された記憶だけは、今でも鮮明に残っている。
自分は、もしかしたら、レンを助けられたかも知れないという罪悪感だけが、ルカの中に残った。
あの日、自分が家に居て、レンを行かせなければ、レンは死なずに済んだ。
ああなってしまう前に、シオンを止めるタイミングは、今まで何度もあった。
それなのに、何もせずに、見過ごし続けていた。
自暴自棄になり、コンビニで買った酒を胃の中に流し込んだ。
酔いが回ると、ルカは、
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