Birthday Cake/ツチヤタカユキ
表情を浮かべる。
隣町にある家に帰るまで、まだ時間がかかりそうだし、暇だから、シオンは門脇の与太話に、付き合ってやる事にする。
「幽霊?お前って、霊感とかあったっけ?」
そう言いながら、ペットボトルのコーラをシオンは口に運ぶ。喉仏が、上下する。
「ねえよ。初めて見たんだ。
そいつ白色の血液を吐いててさ、世界をまた白紙に戻そうとしてた」
ついていけねえ、とシオンは思った。
「・・何だそれ」
消え入りそうな声が、口から漏れた。
もうすぐ街中に差し掛かる。
シオンと門脇は、同時に覆面を剥ぎ取る。
門脇の頬には、覆面マスクの繊維の跡が付いている。
「多分・・、あ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)