認識に関する二つ目の切片に至るまでに拾われた七つのパンくず/
 

   大切にしているものを、大切に思うのは何故か。
   その理由を信じるのは何故か。
   キュッと締まったキャベツをひん剥くように疑え。
   そう、例えば人間 は、地上に遺す価値がある動物なのだろうか。


夜がはじまる 室温3℃ 湿度80%
飯寿司は外へ炭酸は屋内へ置く
夜がふかまる 手がかじかんで遺書が書けない!


   思えば私はノートを作らないタイプの学生だった
   罫線と反りが合わないんだよと嘯いて
   ルーズリーフに理想のおっぱいや大臀筋を描いていた
   くるぶしの魅力を知らないクソガキだった


最後の手紙はヤギに差し出すと決めている。
ありったけの哀しみをパリパリのキャベツに書き込んでさ、
この自己の存在さえ不確かな世界で死を待つ夢から醒める前の
最後の手紙
     を
      食べたヤギの血を次の私の乾いた唇へ垂らすのだ。
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