羽根のように/岡部淳太郎
 
私たちの それぞれの思いは
どこまで届くのか あるいは
どこまでしか届かないのか

羽根のように
世界中の空に
いくつもの思いが飛んで
散らばっていった
白や黒や灰 あるいは孔雀の羽根のような色鮮やかなものや
それらの様々な羽根のような思いが飛んで
空間に舞って 風の流れに翻弄されて
ゆらゆらと揺れて
あるいはぶつかり合って
あるいは風に乗って遠くまで飛んでいって

そのために世界は美しく
そのために世界は醜かった

人はどこまで行けばいいのか
この世界の 謎のきれはしの
どれをつかんで
あるいは手放して
人はどこまでしか
行くことが出来ないのか

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