そっとこのままで/二宮和樹
 
ほどなくして 彼女はこの世界へと目覚めていく
陽は勢いを増し 陰りを拭っていく
時を労せずして 窓を開け放ちこの部屋から世界を望もう

故あって理解に及んだ2人の軌跡
あわよくば まだこれを書き出さないほうがよかった
それはこの一瞬を この世界の一瞬をつなぎ止めるに
自分では役不足だからか

そっと、まだ余韻が残る 夜の開け放っていない部屋を見る


もうそろそろ 窓を開け放たなければいけない
本当はそうしたくなくても
現実は否応もなく、何かを迫ってきて私は逃げるよすがもない
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