ばかなねずみ、りこうなねずみ/はるな
 

ばかなねずみは、りこうなねずみとちょうど同じ数だけいる。
ぼくたちはばかなねずみで、たとえば角砂糖が落ちているのをみつけてはわあっとかけよって、けんかしながらあっと言う間にたべてしまう。そうしてねむたくなって横になってるとりこうなねずみたちがやってきて、角砂糖の落ちてきた角度から推察して砂糖壺をみつけて、そこから少しずつ、少しずつ毎日拝借しているってわけ。良い子のアーリヤが砂糖の減りがはやいのに気がついて、壺を隠してしまうまで三月は砂糖をなめられたんだって。でも一日にふた舐め、そんなのって!
ばかなねずみはばかだからすぐに死んでしまうけど、なんども、たくさん子どもをつくる。りこうなねずみは
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