夜の音/
佐藤伊織
音のない夜の声を聞いた
ぼくは密集して逃げようとしている影達のコートの揺れを聞いた
揺れる影の音はぼやけて拡散するので
ぼくはそれでは密集した意味がないと思いながら拡散していく
音のない夜の音は
こうして耳を塞ぐことができない
戻る
編
削
Point
(1)