知らない誰かが知らない誰かを/こたきひろし
 

途中で女は男に誘われた
理想の見た目の男だったから
女は男に抱かれた

だけど
いいところで目覚める

すると同じ寝床の隣には
だらしなく口を空けて鼾を立てている男がいた

その顔を見る度に
女は幻滅させられた

こんな男には絶対抱かれたくなくなっていた
だけど情ではしっかりと繋がれていた
いまさら離れられなかった

鼾を立てていた男は
まさしく俺だった
既に
あんたとは一生しないと
女から
つまり嫁さんから
告知されていた

可哀想な男だった
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