エリカの妖精/
丘白月
1月の庭に雪だるまが一人
小さいけれどダイヤの糸が
月あかりに透けて光る
子供の小さな手で創られた
小さな雪だるまの中に
温かい陽が灯る
小さな薄い羽根が
繭のような
雪だるまから抜けていく
エリカの妖精が生まれた
桃色に膨らんだ花に
いくつもの希望を編んで
空をうめつくす声が
喜びの声が
子守唄のように響いた
あしたの朝になれば
あの子は気づくだろう
いつか出逢う友だちの気配を
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