生真面目な心臓のためのダブルスタンバイ/草野大悟2
青空から引き剥がし、地面に叩きつけて失神させてもいい、
俯せにしてきみのすきなだけむち打つといい、むち打つと、 ねえ、むち打つと、むち打つと、いいんだ、いい、んだ!
いいや、やはり、ここは、猫どもにまかせようか。
前足をちょこちょこして、心臓をころがすことだろう、ころ がりは、不安定な曲線をえがきながら天にのぼろうとするだ ろう、かるいんだ、かるい、とても、かるい。
のぼっていくんだ。いく、いく、いくんだ、のぼっていくんだ、どこまでも、
どこまでものぼって、のぼって、のぼって、のぼって、のぼっての
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)