優しき弓夜/りっと(里都 潤弥)
謳歌する冷蔵庫の中の牛乳 冷える身体は一人のもので
日曜の午後の桜の眩しさに白昼堂々犬を買います
僕が犬を触ることができるのは夜に牛乳皿を割るとき
君と犬の似ているところ探しては沈む夕日に口笛を吹く
夜はテープレコーダーに話しかけることから始まるんだ 星よ
背を曲げて君の夜中に忍び込む鞄に裸のぬいぐるみ居る
僕は額から靴紐に向けて血を流し込んで弓になりたい
身体から流れる液は牛乳で僕が犬です矢に打たれます
君の眼が犬の臓器を抱きしめて優しき弓夜人売らぬ歌
きっと恋だけはあったんだと思う角交換を振りかえりつつ
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