血塗れの船で果てしない海を渡れ/ホロウ・シカエルボク
 
、意識にはリーチがない、どんな遠くだって届かせることが出来る、それが詩ってもんなんだ、湾曲しても、どこかで裂けても、ひとつだけあらぬ方向へ飛び出したって…お前自身がしっかり立っていればお前というひとりの人間に見えるのさ、どんなに脇道に逸れても、寄道を繰り返しても―歩いたあとで振り返ればたった一本の道ってことだ―肉食獣の牙は突然に記憶を取り戻し、俺のマットレスを滴るほどの血で汚した、俺は血に塗れながら高笑いする、これが詩だ―これが詩なんだ。


戻る   Point(2)