隣人(改訂再録)/ひだかたけし
 
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」
って、トイレへの通り過がり
何気なく廊下で共同冷蔵庫から
自らの冷えたペットボトルを取り出し手渡してくれて

救われ掬い出されるんだよな、ただその一言その行為だけで


消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めて
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

何気なく手を差し伸べてくれる隣人がいなければ




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