こたえは明星/這 いずる
群青が朝焼けに変わるときに
だんだん息をひそめ
呼吸は浅くなり速くなり
人混みの中にいるような酸素の薄さで
白い水蒸気が多く立ち上り
私の息苦しさが君に届く、だ、なんて
言葉をうしなってもう
何年か経つけれど
君に言いたいことだけ
溜まって
こたえの明星が光るという
夢想にすぎる空想が
胸を締めつける
180度の青空が
180度の夕方に消えて
青が赤に混じり
思い出深い紫の宵闇を目に刻む
散り散りになる私の宝物を
かき集めていたのも
忘れてしまっていたのに慌てて
薄情に生きている自分への
失望が深く
君に出した手紙の数は
忘れていく証の数だって、なんて、
なんだか疲れてしまったな
と笑いあったのが遠く、遠く遠く遠く
何もかも夢である
と
誰か言ってくれ
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