ほどけないことばの結びの中で/
かんな
信じて
わたしは信じて冬を
溶けてゆくときを
ほら
そこに春が
きているからどうか呼んで
あたたかな
あたたかな声を
母は母として生きて
わたしは子どもとして生きて
ただ苦しみの中を生きて
愛が
愛のふりをして
また愛のようなかたちをして
そして
愛としてのことばをつむぐとき
生きて
わたしはわたしとして生きて
今
母が生きたことを
わたしが生きたことを
その愛を
ここにつむぐ
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