行方知れずの抒情 一/ただのみきや
ずに籠の中
蜘蛛にはかける声もなく
時の歯車回るけど
なんにも前へ進まない
いつしかみんな消えて往く
夢の向こうの物語
神話
最初に四人の神が在った
神々は全ての人間をその手で良く混ぜると
世界の四方に並べていった
その頃まだ人々の個性は隠されていて
人間は神々が作る世界の素材として準備された
そして時が巡り出す
四人の神はそれぞれ自分の良いと思う計画
宗教的方針に従って人々を選別した
個々の特色を見て
あるいは指で触れ
思惑通りに配置していった
ある出来事は歴史の光に晒された
ある出来事は最後まで伏されたままだ
十二は
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