さん、らん、、、/岡部淳太郎
 
さん、いつ、する、ひかりの卵、あるいは、わた
しのうた、あなたの、うた、くらさのなかでひかる、こ
の苦しさよ、あかるさのなかでこどうする、このいたみ
よ、、、あなたは思い、だされるために、いまも、散ら
ばっており、わたしは思い、だすために、いまも、みず
からを、ばらばらにしている、、、さん、らん、する、
さかなは、つめたい水のなかで、いき、たえる、さん、
らん、された、卵は、世界のしりゅうへ、世界の、あら
ゆる水の、みなもとへと、散らばっていく、、、さん、
らん、する、さん、たん、たる、これらの軽さ、あなた
が、生み、落とした、わたしの水滴、いのちをわからな
くさせるために、ひかる、あなたの卵、わらい、さざめ
く、こどもたちの陰で、この世にまかれた、ひかり、、、



(二〇〇八年十二月)
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