Brethnig 呼吸かな/こたきひろし
計画の通り
長女が三歳になってから避妊は止めた
その結果二人目を授かった
二人目も産まれたのは女のこだった
可愛くて可愛くて仕方なかった
我が子可愛さゆえに必死に子育てした
なのに娘たちは成長するにつれて
父親を嫌うようになった
そこで私は本で調べた
理由が解った
女のこは年頃になると
本能的に父親からの近親相姦を回避するために
父親の加齢臭や見た目の劣化に拒否反応を示すらしい
成る程な
と素直に納得出来なくて
一時期苦しんだ記憶も今は懐かしい
とは言っても
平安時代の頃は近親婚は普通にあったらしい
その頃の和歌には恋人を「妹」と詠んでいるではないか
これもまた一つの知識として受け入れた
父親への嫌悪感が薄れて来た頃
つまり娘が女になった季節に長女に言われた
「あたしお父さんを父親としては認めるけど、男性としてはブーだと両の手を使ってバッテンされた
その時、私は黙ってそれを受け入れた
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