ハッピーチョコレート/都築あかり
きみの発する言葉ひとつひとつから
ぼくの体温を感じ取って、
それは甘ったるくて
しつこくて粘ついていて、
どうもぼくの世界には
合わなかった
それだけだったのに
今は無性に味気ない
また求めてしまうぼくは無力だ
他人に分かるわけなんかないのに
分かったような顔をして
中毒、依存
テンパリングされていないチョコレート
ただ溶かされて型に嵌め込まれて
今日もそんな鎧を被ったりして
1ミリも綺麗なんかじゃないそれを
ぼくときみは互いに分け合って
それが、それでいて幸せだった
着飾ることが嫌いな女の子はいないよ
本当のぼくなんてきみがいないと
無味であることを証明しているように
もっと丁寧に温度調節されるべき
恋というものがそこにはあった
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