罅/星染
 
もう長くない、もう息が続かない、間違えた星に生まれて私たち がんばってきたね もういい、もういいから、もういいからって首筋に両手をあてがいあって笑ってた 死ねない、死なない、そうさせてくれるのはこの季節のおかげで、ねえ私たち本当はこうなるつもりじゃなかったって知ってるよ 星が多すぎて吐いたこと 花束に顔を埋めて泣いたこと 死んだらどこに行くんですか、あなたです、あなたのお腹のなかに、宿るのです 戻るのです ああ、気持ち悪くて吐きそう 私のことなんかしらないこの季節が、透き通っていすぎて何もかも見えない、この季節には私だけしか、見えない、それが愛しくて悲しくて嬉しくてだめだ
マグカップであたたかい
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