夏の国/アラガイs
突き出して叫んだ。
(我がいた夏の国の王は人々の脳を好んで食している。夏の国の者たちの脳はそれほど美味なのだ。鬼神天主様とて文句は云えまい。夏の者たちは皆二十年であの世に昇るのだ。後の世の地獄の栄華も群がる僧たちの因襲をみることもない
我はそんな国に仕えるのが厭になった。
そして峠を越えたこの地で鬼を棄て、あの夏という王国の末路を見届けてやりたくなったのだ。この躰が〜)
酔うままに書面の応答を言いかけた
その最後の噺が未完に終わったことは言うまでもない
冬将は脇腹に隠し持っていた刀で春秋の頸を切り取った。
割れ竹に墨
同じく楮の樹液が散る
一瞬の速さはものの見事さにある。
戻る 編 削 Point(3)