無題/朧月夜
 
さみしい夜にはいつも君がいてくれた。
寒い冬でも君がいっしょなら大丈夫だった。

さして面白くもないことにも君は笑って、
さもありなんと僕はおもったりした。

さあ何をしようかと、いっしょに考えてくれないか。
さっぱり思いつかなくても、僕は平気。

魚釣りに行くのなんてどうだろう、
さぞかしたくさんの魚が獲れるだろうね。

最初に用意するのはどんな道具?
さすがの君も、「それは君」なんて答えは思いつかないだろうね。

さて、冗談はこれくらいにしようよ。
最悪のことが起こっても、僕は君を守ってあげられるよ。

さっそくだけれど、これは君への告白なんだ。
桜が咲くころには、君への思いをつげるよ。

最高の結末を、僕は待っているから、
最低でも「嫌いじゃないよ」って言ってくれ。

さみしい夜にはいつも君がいてくれた。
さして面白くないことにも、君は笑顔で応えてくれた。

魚釣りに行くのは、いつがいい?
桜が咲くころか、木の芽が芽吹くころか、落ち葉が散るころか。


[ クーヘン氏「サ行」によせて ]
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