点の誘い・線の思惑 四 /
ただのみきや
う
かつて詩はことばではなく
ことばの中に隠れて宿り住むものと考えた
今では迷宮の中に主は居らず
迷宮そのものが目的ではないかと感じている
こころの混沌を模ったことばの迷宮
不在の空間を詩と呼んでいるではないか
伽藍に吹き込む風を歌声だと思い込み
自分や他の侵入者の足音や影法師を追っている
詩作品は詩の不在を包んだことばの被膜
詩を愛することは
人形遊びに似ている
《2020年2月2日》
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