Physics Note 3/AB(なかほど)
あるいは僕がいるのか判らない
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地球はまわる
ぼくらもまわる
ガリレオ相対性のきれいなこと
生まれて来たのだから生きてみる
その先は
ひしゃげた銀河や明日へつながって
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飛べるわけでもないのに
いつの間にか
こんなに遠くになってしまった
遠ざかったのは彼らなのか
僕のほうなのか
教えてくれるはずのあなたは
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朝届いた君の事を告げる手紙が
消えた
ノックはしなかった答えもなかった
いつまでも
何もないという思い出だけが
残った
35
魚屋さんには夕陽がさす
それは雨が降っていても
モールの中でもかまわずに
あいかわらずの僕は
うつむいたり顔あげたりの
魚屋さんで
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ずっと前からそうしている
ときどき思うんだ
誰かのあえの風になりたい
その誰かはきみかもしれない
きみ以外の誰かにしか届かないかもしれない
それでも
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