そうやって泣けばいい/ベンジャミン
 

まるで
自分のかわりに泣いてくれと
うったえているみたいに

そうやって
ひとつのうたがうたい終わるころには
あなたはすっかり泣いてしまって
小さくまるまったような
瞳をうるませたまま
にぎりしめた砂をほどいてみせる

通りすがりの風が
どこへともなく運んでゆくその
ゆくへを思い浮かべることもなく

涙のあじが
しょっぱいだけではなかったことを

思い出すのです

砂は
さらさらと乾いた音を残して
また誰かのもとへと
降り積もるのでしょう

渇きをいやすように

静かに

    
   
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