Physics Note 2/AB(なかほど)
 

13

ぼくのこころは
ふ 
ってはずれて

べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった



14

喧嘩太鼓の音に
いくつもの魂がひとつになって
一際高い火柱になって昇ってゆく

ひとつぐらいは
誰かの竹ざおに
ぶらさがったままでもいいのに



15

こんな日は
街の灯がまたたき始める頃には
早くお家に帰ろうと思うのだけれど

僕らのカラータイマーの単位は相対的で
そんなもの付いてないのが本物だよ
とつぶやきながら



16

不思議な人が
一億個の不可思議を抱え
目の前でにっこり笑った


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