電話/daughter
 
君に伝えたいことがたくさんあって
電話しようと思って君の電話番号をディスプレイに表示してみるけど
どうしても発信ボタンを押せない

僕からの着信コールを見て君はどう思うだろう

不安がよぎり また次にしようと思い、
ディスプレイを元に戻す

毎日そんなことを繰り返し
いつか本当に君へ電話をかけるのか
このまま君の記憶が薄れ行くのか


10年も前だったら 君も僕も携帯なんて持ってなくて
君からの電話を待ちわびることもなく
君への連絡を執拗にすることもなく
もっと他の事で寂しさを紛らわすことができただろうに
もしくは もっとお互いを必要と思い
一緒に過ごす時間を大切に思えただろうに
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