逃出/
ひだかたけし
森の向こうに空があり
私の思考が漂っている
地水火風はその中で
好き勝手に踊っている
私の感情の底に哀しみ溜まり
虚脱の寒気はいや増すばかり
自壊か決壊か知らないが
私の思考の四大霊が
盛んに戯れ因果の轍
余りに見事に跡付けるから
私はポカンと口を開け
空の向こうにデロンと露わ
じぶんの思考感情が
逃れ出すのを只観ている
戻る
編
削
Point
(2)