泡の味/都築あかり
コーラ、その黒い炭酸飲料が
泡をたて、音をたて
カフェインをわたしの脳内へと誘う
その1つ1つの泡の中には
きっとわたしの中の
鬱憤、憤り、怒り、悲しみが
こもっているのだよね
そして君への優しさや温もりも共に
それらもみんな一斉に
コーラ色のような感情として
飲み込み、消化され
体内から排出させる
その1つ1つの気泡を
咀嚼してみたい
その泡の気体の中には
なにが埋まっているのだろう
どんな味で満ち溢れているのだろう
1つ残さず噛んでいたら
そのうちにそれらは
もう口内から無くなってしまって
残ったものはあの独特な後味と
その後のきみとのキス
きみにはどんな味に伝わるの?
コーラ味のキスで
僕の愛情は伝わっていますか
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